ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
現地訪問レポート
支援先のひとつである、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプを視察しました。私たち社員が翻訳シールを貼った200冊の絵本を現地の子どもたちに届け、たくさんの笑顔に出会いました。その様子を写真とともにレポートします。
2010年8月 ミャンマー(ビルマ)難民キャンプへ
2010年8月、株式会社 俄 代表取締役社長(現会長)とプロジェクトメンバー2名は、支援先のひとつである、タイ国内のミャンマー(ビルマ)難民キャンプ2箇所を訪問しました。タイとミャンマー(ビルマ)の国境の町「メーソット」から車で移動すること1〜2時間、国境の山々にある難民キャンプに到着しました。
竹や葉で組まれた高床式住居が密集して建ち、その様子は大きな村といった印象です。
今回訪れた「メラキャンプ」で37,000人、「ウンピアムキャンプ」で15,000人の難民の方々が暮らしています。
難民キャンプに暮らすご家族を訪問
キャンプに来て良かったことは?との質問に「子どもに教育を受けさせられること」、そして「命を狙われずに安心して住めること」という答えが返ってきました。
笑顔が素敵なご家族。しかし、私たち日本人が想像もできない過酷な経験をお持ちなのだと分かりました。
子どもたちと会いに図書館へ
シャンティ国際ボランティア会の運営する図書館には50〜100人の子どもたちが集まり、会場は子どもたちの熱気でいっぱいです。
子どもたちの「こんにちは」や「NIWAKA」の元気な声で交流会はスタート。現地スタッフのエッソさんがカレン語に同時通訳してくださり、「桃太郎」の紙芝居を行いました。
絵本や紙芝居の「読み聞かせ」は、大人と子どもがきちんと向き合い、お話やイメージを伝えあう教育活動として、とても重要視されています。
子どもたちの集中力はすばらしく、みんな真剣なまなざしで紙芝居を楽しんでくれました。
第1回の活動として、約200冊の絵本を図書館に寄贈しました。私たち社員が日本の絵本に翻訳シールを貼ったものです。
絵本の寄贈の後は、子どもたちの読書タイム。
ひとりで集中して読んだり、ワイワイガヤガヤ友達と一緒に読んだり、みんな熱心に読書を楽しんでくれています。
会場を見に来ていたお母さんが、赤ちゃんに読んであげる微笑ましい姿もありました。
次は、画用紙にクレパスで「将来の夢」をテーマに絵を描いてもらいました。
みんな一生懸命考えて、真剣に描いています。最後はみんなの前で作品を発表することに。
最初は恥ずかしそうにしている子も、画用紙を見せながら嬉しそうに夢を語ってくれます。
将来の夢は「看護師」「学校の先生」「お医者さん」がほとんど。キャンプの中では出会える職業が少ないためかもしれません。
印象的だったのは、「兵士」と答える男の子が多かったこと。キャンプで生まれ育った子どもたちにも、内戦の影が見え隠れします。
プレゼントしたおもちゃで外遊び
次は外で遊ぶために図書館近くの公園に移動します。図書館の先生が引率し、子どもたちは手を繋いで歩いていきます。
紙風船やシャボン玉をプレゼントすると、子どもたちは大喜びで遊んでくれました。特にシャボン玉は大人気!大きいシャボン玉、小さいシャボン玉が晴れたキャンプの空に飛んでいきます。
そして、お別れの時。
子どもたちが素敵な絵と毛糸で作った首飾りをプレゼントしてくれました。
元気いっぱいの子どもたちに私たちも元気をもらいました。
キャンプ訪問を終えて
子どもたちの絵本を読む様子や、楽しそうに遊ぶ姿は平和そのものでした。
子どもたちにとって、絵本は文字を読むきっかけになり、「コミュニケーションがうまくとれるようになった」「ケンカが少なくなった」との嬉しい報告が届いてきています。
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプには、カレン族を中心に13もの民族が暮らしています。絵本を通して他の文化を知り、自分たちの文化を見直すきっかけになっているようです。
“みんなが夢を抱き、お互いの文化を知り、より良い関係が築き上げられていく”
そんな社会になって欲しいという希望を、チャリティプロジェクトPLEDGEに託して難民キャンプを後にしました。