2020 年度
三国食べもの物語
絵:バヌ・バタライ
炭水化物、たんぱく質、ビタミンという栄養素を題材に、バランスの良い食事の重要性を、ファンタジーのストーリーで学ぶことできるおはなしです。
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主食となるお米や穀物をしっかり貯蔵しているイエロー国、お肉や魚、牛乳やヨーグルトだけを食べている力持ちで強いレッド国、新鮮な野菜や果物を育てている繊細で美しいグリーン国という栄養3国がありました。その3国の王たちが自国の食材が一番素晴らしいと喧嘩をしていると、美しい3色の羽根をもつ鳥のダンフェがやってきました。その鳥は王の喧嘩の仲裁に入り、各国を訪問して、そこに暮らす子どもたちへ体のことで困っていることを聞くと、それぞれ体に不調を感じていることがわかりました。その原因は、自国の食材しか食べておらず、栄養が偏っていることでした。そこで、ダンフェは栄養3国で採れた食材を合わせたバランスのとれた料理を披露。栄養3国の力を合わせて協力すれば、健康でより良い生活を送れるようになることがわかり、栄養3国の人々は、それぞれの食材を交換し、バランスよく食事を食べることで、健康にそして仲良くなりました。
絵本のおはなしは誰がつくったの?
『三国食べもの物語』 のおはなしは、シャンティ国際ボランティア会(SVA)の現地事務所の出版委員会とカウンターパートを含むチームで、専門家に助言をもらいながらにつくられたオリジナルのストーリーです。
ネパールでは、多くの子どもがビスケットやインスタントラーメン、スナック菓子を食事代わりに取っています。子どもと親が栄養や食習慣について、正しい知識が得られるようにという願いを込めて作成されました。
絵は誰がかいたの?
絵は、バヌ・バタライさん氏によって描かれました。彼はネパールで様々な出版のデザインやイラストの作成に携わり、子どもの絵本作りにもイラストレーターとして参加されてきたご経験があります。
どうやって出版したの?
シャンティ国際ボランティア会(SVA)の現地事務所の出版委員会と、編集者が協力して出版しました。
ネパールでは子どもの健康上の問題として、栄養不足による発育不良が挙げられます。その要因は貧困、保健サービスの不足、過去10年間続いた内戦、2015年に起きた大地震や毎年起きる洪水による食料生産の減少など多様ですが、子どもと親の栄養や食習慣についての正しい知識が不足していることも要因の一つです。シャンティではこれまで各国で培ってきた読み聞かせや絵本・紙芝居製作の経験を活かして、子どもたちにわかりやすく栄養についての知識を伝える紙芝居を製作しました。栄養や食習慣についての子どもの知識が向上し、健全な食習慣を行うことができるようになること、子どもたちが親や地域住民に紙芝居で学んだ知識を伝えることで、住民への波及効果も期待されています。
子どもたちの声
ハピル・ナゴルコティくん
11歳
紙芝居をとても好きになりました。いろんな種類の食べ物を食べないといけないことが良く分かりました。これからも緑の野菜、黄色のお米、赤の鶏肉を食べることを心掛けたいと思います。学校がコロナでしまっているので、週に2回図書館に来て、絵本を読んだり、友達と遊んだりするのが楽しみです。
サル・パヒリさん
12歳
紙芝居は面白かったです。これまで栄養のことは学校でも家でも習ったことがありませんでした。お菓子を食べすぎないようにしないといけないことがよくわかりました。食べ物は芋が好きですが、3種類の食べ物をバランスよくたべるように心がけたいと思います。
事業概要
- 1.事業名称:
- 紙芝居出版普及事業
- 2.協力団体:
- 教育省、社会福祉評議会(SWC)、世界食糧計画、マクワンプル郡ラクシラン農村自治体教育部、70館の全国のコミュニティ図書館
- 3.事業実施団体:
- 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
- 4.事業実施対象地域:
- ネパール連邦民主共和国 マクワンプル郡ラクシラン農村自治体他
- 5.事業実施期間:
- 2020年1月~2021年4月
- 6.事業受益者:
- ラクシラン農村自治体の全53校の児童5,241名、コミュニティ図書館70館の来館児童3,500人 計8,741人の児童