食べ物はどこからくるの?

2020 年度

食べ物はどこからくるの?

著者:シャンティ国際ボランティア会 他

絵:サフィウラ・スブハーニ

アフガニスタンの家庭料理 マントゥ(蒸し餃子)をつくる材料を通して、それぞれの食材がどのように育ったり、作られるのかがわかりやすく描かれたおはなしです。

絵本のおはなしは誰がつくったの?

日本の幼児向けの絵本の構成を参考に、シャンティ国際ボランティア会(SVA)のスタッフが原案を作成し、現地スタッフや出版委員会との協議のもとに作り上げたオリジナルのストーリーです。

絵は誰がかいたの?

ナンガハル州出身で現在カブールに在住のサフィウラ・スブハーニ氏によって描かれました。保険会社で働きながら、独学で学んだ技術を生かして2004年からSVAの絵本・紙芝居出版に携わっています。

どうやって出版したの?

対象地域全体において、栄養や食に関心を寄せるような教材や学ぶ機会が少ないため、幼児や低学年の子どもにも理解ができ、食べものに興味を持ってもらえるような絵本を出版しました。出版にあたっては、日本の絵本・紙芝居作家より助言を得て修正を重ね、現地の児童絵本の専門家や大学教授などの有識者からなる出版委員会にて文章と絵の確認がなされたのち、教育省の出版許可を経て印刷しました。

現地の様子

  • 「現地の様子」スライド1

    1. 出版作業:画家と絵の修正に関する打合せ

  • 「現地の様子」スライド2

    2. 移動図書:移動図書館での感染予防啓発活動(手洗いの実践)

  • 「現地の様子」スライド3

    3. 移動図書:移動図書館での絵本読み聞かせ活動

  • 「現地の様子」スライド4

    4. 子ども図書館:消毒液とマスクをつけて来館する子どもたち

  • 「現地の様子」スライド5

    5. 子ども図書館:図書コーナーで読書をする子どもたち

  • 「現地の様子」スライド6

    6. 子ども図書館:物語の読み聞かせ

子どもたちの声

ザヒデゥラくん

ザヒデゥラくん

ぼくには2人の姉と2人の弟がいますが、ぼくが6歳の時にお父さんが亡くなり、お母さんと私たちきょうだいは多くの問題に直面しました。お母さんは教育を受けていません。親戚も貧しくて、私たちを援助はしてくれませんでした。破れた服を着て、靴を履いていないお母さんをみると、とても悲しい気持ちになりました。ある日、ぼくは市場に中古品を売りに行きました。売ったお金(100アフガニ:日本円で約140円)でプラスチック袋を買って、その袋を市場で売って80アフガ二多く稼ぎました。それから、ぼくと弟は毎日市場で物を売って働いていましたが、他の子どもたちのように学校に行って勉強がしたいという希望がありました。そんなとき、家に帰る途中に、子ども図書館から出てくる近所の友達と偶然出会い、その友達がこの図書館で勉強していることを知りました。彼は「ここは無料でいつでもきていいんだよ」と教えてくれました。さっそく次の日、図書館に登録しました。それから毎日市場でプラスチック袋を売った後に子ども図書館を利用しています。明日は妹と弟を連れて、図書館で勉強して、裁縫を習う予定です。将来は、学校に入学して、明るい未来を手に入れたいと願っています。すべてはこの図書館のおかげです。まず、ぼくにこの図書館を教えてくれた親友に、そして図書館の先生に、最後に私たちのためにこの図書館を支援して下さる日本の皆さまにありがとうと伝えたいと思います。

事業概要

1.事業名称:
アフガニスタン 子どものための図書館普及にむけた基盤整備事業(絵本出版、研修、子ども図書館活動)
2.協力団体:
アフガニスタン国教育省、情報文化省、公共図書館、教員養成校、カブール州・ナンガハル州・ラグマン州教育局、情報文化局
3.事業実施団体:
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
4.事業実施対象地域:
アフガニスタン・イスラム共和国カブール州、ナンガハル州、ラグマン州
5.事業実施期間:
2020年1月~2021年1月末日 ※絵本・紙芝居出版のみ、2021 年6 月30 日まで
6.事業受益者:
絵本・紙芝居配布:小学校175 校、公共図書館12 館、子ども図書館1館
研修:省庁職員、公共図書館員、教員養成校教員計10名
移動図書館活動:延べ3,134 名の児童
子ども図書館運営:延べ22,178 名(2020 年1 月~12 月)の子ども

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