2019 年度
なにをしてるかわかる?
世界11地域の子どもたちの生活が、それぞれ違った作家によって描かれているこの絵本は、様々な理由で学校に行けない子どもたちに読書の喜びと読み書きの素晴らしさを教え、世界のいろいろな地域の生活様式や環境を伝えることを目的としたおはなしです。
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世界11地域の子どもたちの生活を、「なにをしているか わかる?」という問いかけで、わかりやすいイラストと共に描かれています。東アフリカのサバンナで暮らす男の子がねんどでどうぶつをつくる様子、東ヨーロッパに住む女の子が、冬の季節、「子どもの家」でにんぎょうげきを観にいき、指人形をつくる様子、日本に住む男の子が、一人でバスに乗り親戚の家に行く様子、ヨーロッパのオレンジ畑に囲まれた古い町に住む男の子が、一人で市場へ行き、家族へお土産を買う様子・・・多彩な文化圏の生活の1シーンが描かれています。本を読む子どもたちは、まず絵の中の主人公を見つけ、主人公が何をしているのかを考えます。それらは手紙の書き方やなぞなぞ、地図の読み方など、読み書きに関わる活動で、次の見開きに答えが載っています。さいごでは、わたしたちの世界をもっともっとよい世界にするために、世界のこども達が集まり、どうしたらみんながよく知りあい、仲良くできるのか、みんなが読み書きができるようになるのか話し合いを実施します。
絵本のおはなしは誰がつくったの?
1990年の国際識字年を記念して、ユネスコと公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)によって共同で制作された絵本です。
絵は誰がかいたの?
自分の暮らしを紹介して多文化を知るという趣旨があり、56か国の画家やイラストレーターの協力を得て描かれました。
どうやって出版したの?
児童図書出版委員会のメンバー15名(作家、イラストレーター、編集者それぞれ5名ずつ)で、年間を通して児童図書制作を実施しました。委員会で協議を重ねながら、おはなしの候補を挙げ、「なにをしているかわかる?」を選定。51か国の国の挨拶をビルマ語に翻訳する際に時間が要されました。インターネットを含め情報収集を行い、大使館関係の友人にも聞きながら、情報確認を行うなど、編集者職員が丁寧に取り組み、印刷会社による確認・編集作業を経て、翻訳出版に至りました。
絵本ができるまで。できてから。
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1. 出版委員会との会合の様子
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2. 情報省における出版絵本の贈呈式の様子
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3. 完成した絵本に興味津々な様子の子どもたち
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4. 完成した絵本を初めて手に取って嬉しそうにする子どもたち
子どもたちの声
モー・ヤン・カンくん
10歳、小学校5年生
僕の趣味は本を読むことで、大きくなったら医者になりたいと思っています。本が好きな理由は、本を読めば読むほど、自分が今まで知らなかったことを学べるからです。今まで読んだ本の中では『ぐりとぐら』が印象に残っています。『なにをしているか わかる?』の本も好きで、特に26ページ目が好きです。なぜなら地図のイラストが出てきていて、地図をたどることで様々な場所にたどり着くことが出来ると学べたからです。もっと多くの知識を得るためにこれからも本を読むつもりです。ご支援者様には本をご支援頂き、ありがとうございますと伝えたいです。
エー・タン・ピューさん
10歳、小学校6年生
私は大きくなったら先生になりたいと思っています。本を読むことが大好きで、理由は本を読むことで多くのことを学べるからです。『なにをしているか わかる?』の好きなところは6ページ目で、なぜなら多くの動物たちが描かれていてとても可愛いと感じるからです。また、本の内容も好きです。登場人物の男の子が粘土でおもちゃを作るシーンを見て、私も何か創作したいという気持ちになりました。この本をご支援くださった方々に感謝をしています。
事業概要
- 1.事業名称:
- 図書館事業 児童図書出版活動
- 2.協力機関:
- ミャンマー情報省、情報省出版公社、ミャンマー児童図書出版委員会
- 3.支援者名:
- 株式会社 俄
- 4.実施団体:
- 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
- 5.事業実施対象地:
- ミャンマー連邦共和国全土
- 6.事業実施期間:
- 2019年1月~2020年2月
- 7.受益者:
- ミャンマーの作家、イラストレーター、編集者、印刷会社、全国410公共図書館および村落図書館の利用者、弊会事業対象の寺院・公立学校38校