2019 年度
2本のばら~どっちが好き?
絵:コーン・サレン
「プラスチックは土に還らない」という基本的な認識が広く普及していないことから、ポイ捨てされたプラスチックごみが、農村部を含めた村々のいたるところで放置されていることが珍しくありません。このような現状において、“プラスチックのばら”と“自然のばら”を主人公に設定し、絵本という親しみやすい媒体を通して、プラスチックごみの特性や、そのリサイクルを通じた環境保全の重要性について語っているおはなしです。
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“プラスチックのばら”と“自然のばら”が道ばたで出会うところからおはなしははじまります。
“自然のばら”はのちに枯れてしまいますが、大地に還り、また“自然のばら”として生まれ変わります。一方“プラスチックのばら”は、しばらくはきれいな状態でしたが、のちに汚くなり、壊れてゴミとして捨てられてしまいます。2本のばらを通して、自然の循環サイクルや、プラスチックもきちんと分別したら、様々な製品にリサイクルすることが出来ることなどがわかりやすく説明されています。ごみをきちんと分別することで、みんなが幸せな美しいコミュニティを創ることができることを紹介しているおはなしです。
絵本のおはなしは誰がつくったの?
識字教育専門家・絵本作家の田島伸二氏で、絵本を通じて子どものときから環境保全に対する意識を育むことを願って本作品は制作されました。
絵は誰がかいたの?
絵は、カンボジア人イラストレーターのコーン・サレン氏が作画を担当しました。親しみやすい画から、コーン・サレン氏は『2本のばら』のみならず、SVAカンボジア事務所がこれまでにカンボジア国内で出版した複数の絵本の作画にも携わっています。
どうやって出版したの?
カンボジアでは、急速な経済発展とともに、プラスチックごみの廃棄量が急速に増加しており、可燃ごみとの分別やリサイクル・再利用を含めた処理が、環境問題のひとつとして懸念されています。その中で、シャンティ国際ボランティア会(SVA)カンボジア事務所が2013年度から実施している「図書館活動を中心としたコミュニティ学習センター事業」の一環で2015年9月にカンボジア国内で「2本のばら~どっちが好き?」は出版されました。カンボジアにおける環境教育の向上という側面より、2019年カンボジア王国絵本再版事業において再出版されました。
絵本を楽しむ子どもたち
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1. 絵本が子どもたちに届きました
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2. シェムリアップ州のコミュニティ学習センターにて読書を楽しむ人びと
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3. 友だちと再版絵本を楽しむ子どもたち
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4. 親が子どもへ再版絵本の読み聞かせをしている様子
子どもたちの声
オーム・チェンくん
12歳
小学校4年生
休みの日や家では、友だちと一緒に遊んで過ごしています。家の近所にコミュニティ学習センターの図書館があるので、友だちと一緒に1週間に3~4回くらい訪れています。
『2本のばら』を読んで印象に残っているのは、野生のバラがまた生き返るところです。動物や植物など自然に生きているものの美しさを、この本から学ぶことができました。素敵な絵本を届けてくださり、ありがとうございました。僕の友だちにもこの本を紹介してあげたいです。ありがとうございました。
デン・チャンダさん
9歳
小学校4年生
休みの日や家では、従姉妹たちと一緒に遊んで過ごしています。村のコミュニティ学習センターの図書館には、1週間に2回くらい訪れて、本を読んでいます。
『2本のばら』を読んで印象に残っているのは、ごみが無くなって村が綺麗で清潔になったところと、野生のバラが生き返るところです。この本を読んだあと、「プラスチックのごみはきちんとゴミ箱へ捨てるようにしよう」と思いました。とても素敵な絵本を届けてくださり、ありがとうございます。この本と出合えて、本当によかったです。
事業概要
- 1.事業名称:
- 2019 年度 カンボジア王国絵本再販事業
- 2.協力機関:
- カンボジア王国教育省、州教育局、郡教育局
- 3.支援者名:
- 株式会社 俄
- 4.実施団体:
- 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
- 5.事業実施対象地:
- シェムリアップ州、バンテイミンチェイ州、コンポントム州、バッタンバン州、プノンペン市
- 6.事業実施期間:
- 2019年1月1日~12月31日
- 7.受益者:
- 農村地域の6か所のコミュニティ学習センター及び5か所の幼稚園に配布されました