私の好きなカレン月

2016 年度

私の好きなカレン月

著者:ノー・セイ

絵:ソー・チョー・ケイン

カレン族が使う「月」を、その月にある文化行事や生活の様子を踏まえながら紹介しているお話。子どもたちは絵本を通じて、カレン族の文化行事や学校行事、伝統的な生活について知ることができます

絵本のおはなしは誰がつくったの?

『私の好きなカレン月(カレン語)』の絵本は、カレン難民委員会教育部会に所属するノー・セイ氏によって、カレン語で韻を踏んだ詩が書かれました。さらに巻末にはカレンの暦に関わる単語が紹介されています。近年、カレン族の間でも西暦の月を使うことが増えてきていますが、この絵本を通して、伝統文化でもあるカレン族の独自の暦を維持することにも繋がっています。

絵は誰がかいたの?

絵はメラ難民キャンプに住むソー・チョー・ケイン氏によって描かれました。彼は、難民キャンプで活動するカレン学生ネットワークグループの一員であり、難民キャンプ内で学生や若者を対象にして芸術活動を含む様々な活動を実施しています。

どうやって出版したの?

シャンティ国際ボランティア会(SVA)の現地スタッフと、メラ難民キャンプの出版委員会が協力して出版しました。この作品を作成した背景には、学校カリキュラム内の学習内容を補助する絵本がほしいという難民キャンプ内の保育所や小学校からのリクエストがあり、カレン難民委員会教育部会と協議した結果、カレンの月を紹介する絵本を作ることになりました。この作品には、英語も併記されています。英語を含む2言語での併記は、子どもたちが絵本を通じて、カレン族の文化行事や学校行事、伝統的な生活について知ることに加え、難民キャンプ内の子どもたちや若者の英語学習にも活用してほしいという思いが込められていす。

絵本ができるまで。できてから。

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド1

    1. 絵本の構成を相談

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド2

    2. 出版スタッフによる挿絵確認

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド3

    3. 絵本はカレン語と英語で記載

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド4

    4. カレンの暦に関わる単語を紹介

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド5

    5. 完成 絵本「私の好きなカレン月」の裏表紙

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド6

    6. 難民キャンプの図書館に配架された本

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド7

    7. 絵本が難民キャンプに届きました

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド8

    8. 読書を楽しむ子どもたち

子どもたちの声

ポロー・ソーさん

ポロー・ソーさん

10歳

メラ難民キャンプ

私は小学校4 年生です。5 人家族で、3 人姉と暮らしています。家ではご飯を炊いたり、水を汲んだりなどの手伝いをしています。学校が終わると、友達と縄跳びやかくれんぼをして遊んでいます。図書館で本を読むのも大好きです。図書館にはたくさんの面白い本があり、友達や図書館員とゲームをしたり歌ったりするのは、私のお気に入りの時間でもあります。私のお気に入りの絵本は『私の好きなカレン月』です。この本を読んで私は、初めてカレン語で各月の呼び方を知りました。家族や友達にも教えてあげたいと思います。この本のお気に入りは、6 月にみんなで勉強しているところです。もうすぐ私もテストがあるので、頑張ろうと思います。私の将来の夢は、先生になることです。学校の勉強を頑張って、英語、算数、理科を子ども達に教えたいと思います。ご支援くださっている日本のみなさん、この本を届けてくださってありがとうございました。ぜひ、みなさんも私たちの文化、カレンの行事について知っていただけたら嬉しいです。

プレアー・ムーさん

プレアー・ムーさん

9歳

メラ難民キャンプ

私は小学校4 年生で、8 人家族です。6 人兄弟で、兄が3 人と姉が2 人います。ご飯を炊いたり水を汲んだりすることが家での私の仕事です。友だちと歌ったり踊ったりして遊ぶのが大好きです。 自由な時間があると本を読むため、図書館に行きます。図書館ではお姉さんやお兄さんに勉強を教わることもあります。図書館員さんの読み聞かせや手遊び歌も楽しいですし、絵を描いたりして遊ぶのも好きです。そのため図書館にはほとんど毎日来ています。私は『私の好きなカレン月』という本が好きです。私の民族の文化を絵で見ることが出来ます。この絵本には、素敵な絵がたくさん載っていて、1 月のカレン正月のイラストは私のお気に入りです。私は、踊るのが好きなのでカレン民族ダンス(ドンダンス)をするお正月はとても幸せです。私の将来の夢は医者になることです。困っている人たちを助けてあげられる仕事をしたいです。この本は、読んでいてとても楽しくなります。この本を出版してくれた皆さん、ありがとうございました。

事業概要

1.事業名称:
2016年度 ミャンマー(ビルマ)難民キャンプにおけるコミュニティ図書館活動
2.協力機関:
難民キャンプ委員会、カレン難民委員会教育部会、キャンプ教育部会事務所、図書館委員会、図書館青年ボランティア
3.支援者名:
株式会社 俄
4.実施団体:
公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
5.事業実施対象地:
タイ国境 7ヵ所のミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
6.事業実施期間:
2016 年 1 月~12 月末日
7.受益者:
図書館利用者 414,854人(子ども:262,376人、大人:152,478人)

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