時計の針の仕事

2015 年度

時計の針の仕事

著者:クロエ

絵:ソー・チョー・ケイン

子どもたちの身近にある時計を題材に、長針・短針・秒針のそれぞれに自分には自分の役割があること、そして同時に協力し合うことの大切さを楽しみながら学ぶことができるおはなしです。

絵本のおはなしは誰がつくったの?

『時計の針のしごと(カレン語)』の絵本は、メラ難民キャンプのクロエさんによって書かれた物語です。クロエさんは、メラ難民キャンプの図書館員だった頃に行った数多くの絵本の読み聞かせの経験を元に、この『時計の針のしごと』を書きました。この物語は、子どもたちの身近にある時計が題材になっており、長針・短針・秒針のそれぞれに自分には自分の役割があること、そして同時に協力し合うことの大切さを楽しみながら学ぶことができるように工夫されています。

絵は誰がかいたの?

絵はメラ難民キャンプに住むソー・チョー・ケイン氏によって描かれました。彼は、難民キャンプで活動するカレン学生ネットワークグループの一員であり、難民キャンプ内で学生や若者を対象にして芸術活動を含む様々な活動を実施しています。

どうやって出版したの?

シャンティ国際ボランティア会(SVA)の現地スタッフと、メラ難民キャンプの出版委員会が協力して出版しました。民話出版は、これまで難民キャンプ内で主流のカレン民族の作品を多く出版していたそうですが、難民キャンプ内には様々な民族が暮らしており、これらの民族の文化や背景を理解し、お互いに理解、尊重しあうことが大切になるため、双方の話し合いの結果、2014 年ミャンマー(ビルマ)族の民話を出版することが決まりました。このお話は、カレン語以外に、ビルマ語、英語にも翻訳され、この作品のカレン語版には、英語も併記されています。英語を含む2言語での併記は、子どもたちが物語を楽しむことに加え、難民キャンプ内の子どもたちや若者の英語学習にも活用してほしいという思いが込められていす。

絵本ができるまで。できてから。

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド1

    1. ソー・チョー・ケイン氏によって描かれた下絵

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド2

    2. 出版担当スタッフによるおはなしと絵の編集

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド3

    3. カレン語、英語で記載

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド4

    4. 印刷を終えた、『時計の針のしごと』の絵本(カレン語版)

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド5

    5. 完成 絵本の裏表紙(カレン語版)

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド6

    6. 各難民キャンプへ配布される絵本の準備

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド7

    7. 絵本が難民キャンプに届きました!

  • 「絵本ができるまで。できてから。」スライド8

    8. 難民キャンプの図書館で絵本を読む子どもたち

子どもたちの声

ポー・リー・リーさん

ポー・リー・リーさん

小学校2年生 12歳

メラ難民キャンプ

私は両親と兄2人、姉1人弟と妹一人ずつの7人家族です。家ではご飯炊きと水汲みを手伝っています。学校から帰ると、教会や図書館に行きます。大好きな図書館では、たくさんの本も読めるし、友だちと遊ぶこともできて楽しいので毎日通っています。私の好きな絵本は『時計の針のしごと』です。この本を読んで、今まで知らなかった時計の長針や短針、秒針の意味と役割を知りました。自分の家に時計があれば、学校に行く時間が分かるので、時計は大切なものだと思ったのと、物語の中で、男の人が捨てられてしまった時計を拾って、きれいにして家に飾ったことが、とても良いことだと思いました。本を読み終わった後、時計を家に飾った男の人と同じように、とても幸せな気持ちになりました。私の将来の夢はこの本のように人を幸せな気持ちにできる先生になって、新しい世代を育てられるようになりたいです。この本を出版してくれて、ありがとうございました。

マー・ミー・チーさん

マー・ミー・チーさん

小学校2年生 12歳

メラ難民キャンプ

私は、両親と姉と兄が1人ずついる5人家族です。家では食事のしたくや水汲みが私の仕事です。友だちと縄跳びをしたり鬼ごっこをしたりして遊ぶのが大好きです。あと、図書館で本を読むのも好きです。図書館では友だちと遊んだり、図書館員さんから、たくさんのお話を聞いたり、パソコンでタイピングの練習をしたりと、いろいろなことができるのが嬉しいので、平日は毎日来ています。私は『時計の針のしごと』という本が好きです。私の家には時計はありませんが、学校には時計があります。この本を読んで、時間が分かるようになりました。時計の針たちが自分の仕事をすることが大切なことのように、自分も宿題などの自分の仕事をすることが大切なのだと思いました。私の将来の夢は看護師になって、病気の人を助けられるようになりたいです。この本の絵はたくさんの色を使われていて、きれいなので大好きです。この本をご支援して下さって、ありがとうございました。

事業概要

1.事業名称:
2015年度 ミャンマー(ビルマ)難民キャンプにおける、教育セクターへの読書推進拡充事業
2.協力機関:
カレン難民委員会教育部会(KRCEE)、各難民キャンプ委員会、キャンプ教育部会事務所(OCEE)、図書館委員会、図書館青年ボランティア
3.支援者名:
株式会社 俄
4.実施団体:
公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会 東京事務所、ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所
〒160-0051 東京都新宿区大京町31 慈母会館2、3 階
(http://sva.or.jp/)
5.事業実施対象地:
タイ国境 7ヵ所のミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
6.事業実施期間:
2015 年 1 月~12 月
7.受益者:
図書館利用者 435,444 人

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