2013 年度
白いひよこ
絵:ソー・コー・ソ・ソ
編者:Michael
お母さんのことをよくきいた白いひよこと、きかなかった黒いひよこ。お母さんが死んでしまった後、黒いひよこは生きていくのに困りましたが、白いひよこに助けられました。3羽はそれぞれ家族に恵まれ、親から習ったことを子から孫へと伝えていったというお話。
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一羽の白い雌鶏がいて10個の卵を産みました。ようやく3羽のひなが孵り、1羽は白いひよこ、2羽は黒いひよこでした。雌鶏はひよこたちを大事に育て、えさを取る方法、危険を回避する方法などを教えました。白いひよこはお母さんが教えてくれたことをすべて学んで覚えました。お母さんが病気にかかった時、白いひよこはお母さんのそばに居続け看病を続けましたが、黒いひよこはお母さんのことを考えず、家に帰った時にはお母さんはすでにこの世を去っていました。お母さんが死んでしまった後、黒いひよこは生きていくのに困りましたが、白いひよこに助けられました。3羽はそれぞれたくさんの家族に恵まれ、親から習ったことを子から孫へと伝えていきました。
絵本のおはなしは誰がつくったの?
出版を支援した「白いひよこ」(カレン語版)のおはなしは、2012年にメラマルアン難民キャンプ在住のソー・ヨハン氏によって作られたオリジナルのストーリーです。
絵は誰がかいたの?
絵はメラ難民キャンプに住む画家のソー・コー・ソ・ソ氏によって描かれています。彼は2013 年1 月にSVA様主催の絵本出版研修に参加し、絵本の中で使われる絵の描き方を学びました。
どうやって出版したの?
シャンティ国際ボランティア会(SVA)の現地スタッフと、メラ難民キャンプの出版委員会が協力して出版されました。
絵本ができるまで。できてから。
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1. ソー・コー・ソ・ソ氏によって描かれた下絵
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2. SVAスタッフによるおはなしと絵の編集
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3. 英語表記でのドラフト作成
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4. 印刷を終えた、「白いひよこ」の絵本(カレン語版)
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5. 印刷~完成 絵本の裏表紙(カレン語版)
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6. 各難民キャンプの図書館への配布準備
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7. 難民キャンプの図書館で「白いひよこを」読む子どもたち
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8. 「白いひよこ」が難民キャンプに届きました!
子どもたちの声
ソー・モー・セ・トゥエイくん
10歳
ヌポ難民キャンプ
僕は、小学校3 年生です。5 人家族で、3 人の兄弟がいます。僕が一番年下です。時間があるときは学校の課題の読書をします。また、友達とかくれんぼをすることが好きです。学校に行くことも好きで、一番好きな科目は、カレン語です。なぜなら、カレン語を読むことが得意だからです。そしてカレン語の学習は他の言語を理解するためにも役に立つと思います。
私は週に3 回図書館に行きます。様々な知識が得られる図書館の活動が大好きです。
僕のお気に入りの絵本は「白いひよこ」です。このおはなしは、子どものときから何が正しいことなのか、ということを学ばなければ将来困るだろうということを教えてくれています。僕の将来の夢は医者になることです。私は病気の人を助け、仲間に尽くしたいです。日本のご支援者の皆さまに感謝しています。読書を通して、もっと勉強に励みたいと思います。
ノー・イェ・ミントさん
12歳
ウンピアム難民キャンプ
私はパオ族の小学校6 年生で、両親と兄妹の6 人家族です。私は学校が好きで、一番好きな課目は算数とビルマ語です。私の村ではビルマ語が使われているので、村に帰ったときは必ずビルマ語で話しかけられます。そのときにビルマ語が理解できれば、村の人とすぐに仲良くなれると思うからです。そしてビルマ語が理解できない人のために教えてあげることもできるからです。算数が好きな理由は、雑貨屋さんに言ったときお金の計算ができるからです。
私は、図書館に行くことが大好きです。なぜなら、図書館に行けば様々な本を読むことができますし、本を読むことで知識を高め、物事を色々な角度から見ることができるようになります。また、本を読むことで私はもっと本を読みたいと思うようになります。私が好きな本は、「白いひよこ」です。この本は両親と兄妹を愛する方法を教えてくれます。私たちが図書館に行くと、図書館員は笑顔で迎えてくれます。彼らはいつも私たちのことを愛してくれています。そして私たちのために様々な活動をしてくれるので、とても嬉しいです。私の将来の夢は、お医者さんになることです。私は将来風邪をひいた人やお年寄り、そして家族を助けるためにお医者さんになりたいです。
事業概要
- 1.事業名称:
- 2013 年度 ミャンマー(ビルマ)難民キャンプにおけるコミュニティ図書館活動
- 2.協力機関:
- カレン難民委員会教育部会(KRCEE)、各難民キャンプ委員会、キャンプ教育部会事務所(OCEE)、図書館委員会、出版委員会
- 3.支援者名:
- 株式会社 俄
- 4.実施団体:
- 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会 東京事務所、ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所
〒160-0051 東京都新宿区大京町31 慈母会館2、3 階
(http://sva.or.jp/)
- 5.事業実施対象地:
- タイ国境 7ヵ所のミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
- 6.事業実施期間:
- 2013 年 1 月~12 月
- 7.受益者:
- 図書館利用者 503,117 人